2008年05月18日

森美術館「英国美術の現代史:ターナー賞の歩み」展関連パブリックプログラム 「英国現代美術を知る」

今年は、日英修好通商条約調印150周年にあたるそうで、これを記念して「UK-JAPAN2008」が開催されています。ひょんなことで「葉山 アゲハ亭」も公認ブロガーに登録され、これまた運良く森美術館で開催されている「英国美術の現代史:ターナー賞の歩み」展関連パブリックプログラム「英国現代美術を知る」講演会の招待を受けました。
昨日(17日)、『「拡張された彫刻」から「ニュー・ブリティッシュ・スカルプチュア」へ』と題された塩田純一氏の講演会に参加しました。
講演では、既成概念の台座の上に立つ彫刻から、従来の彫刻のイメージを打破して60年代「拡張する彫刻」時代へ突入し、その後ターナー賞が創設される80年代、イメージの復活をキーワードにした「ニュー・ブリティッシュ・スカルプチュア」の時代に発展する大きな潮流を解説していただきました。
「拡張された彫刻」という中には、台座をなくし床に直置きにする、ミニマリズムの影響を受けアンソニー・カロや身体表現・パフォーマンスをも彫刻としたギルバート&ジョージ。自然に何らかの印を付けるのリチャード・ロング。(塩田氏は、アメリカのロバート・スミッソンのアースワークとの類似点があるかも知れないが、決定的に異なるのは物量であり、ロングの作品は時間とともに消滅するという点もイギリス的と言えると指摘された)70年代になると、形がどのようにでも変形する布や砂を詰めた袋を使ったバリー・フラナガン。氷を使ったブルース・マクリーン。自然派と言われる枯れ木を使ったデビット・ナッシュ。
このような彫刻の拡張への反動、一層の展開が、80年代の「ニュー・ブリティッシュ・スカルプチュア」へとつながっていく。キーワードは、イメージ復活、物としての有機性の回復、物語性が共通している。
その中でも、プラゴミを使った色彩豊かな作品で印象的なトニー・クラッグ。身体の形、文学的要素を持ったリチャード・ディーコン。洗濯機をカットアウトしてポップなイメージを作るビル・ウッドロウ。インド人で宗教的なイメージ、宇宙を感じさせるアニッシュ・カプーア。人間のイメージにこだわり、食パンを積み重ねて人間の形に切り出したアンソニー・ゴムリー。その他、リチャード・ウエントワース、ジュリアン・オピー、デビッド・マック等が代表的な作家。
最後に、塩田氏は、ミニマリズムに関連して、英国と米国の現代美術の違いを、理論・コンセプトが先行するのが米国、自分たちの文化的な文脈のなかで読み替えてしなやかに創作して行くのが英国であると話されていました。
なかなか、有意義な楽しい2時間を過ごすことができました。この講演会、3回シリーズの1回目ですが、次回は自費で行っても良いかなとも思っています。

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この記事へのコメント

2. Posted by 居つきタヌキ   2008年05月24日 03:02
【すぎ】さん、こんにちは。
お子さん連れで、美術館へ出かけられるなんて良いですね。
うちの息子達、もう義理でもついてこないですね。
唯一、食事に出かける時だけですね。
先週のレクチャーは、80年代までが中心で、次回が、90年代。ぜひ、次回のレクチャーは聴講したいですね。(3回目は、満員みたいですよ)
本当に、お会いできる機会があるといいですね。
【すぎ】さんのブログにも、また寄らせていただきます。
(確かに、神田に「カープ」というお好み焼き屋がありますね)
1. Posted by 【すぎ】    2008年05月23日 16:36
5 こんにちは。
先週の土曜日はお疲れさまでした。
プログラムをご一緒させて頂きました【すぎ】こと杉山です。
私はあの後子供達を連れて上層会にある美術館に足を運んだのですが、やはり実物を見ると圧倒されると共に印象が違いました。
3回シリーズとは知りませんでした!
私はまた応募しようかな・・・(笑)
またご縁がありましたらどこかでお会いしたいですね。
ブログもちょこちょこ読ませて頂きます。

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