2008年09月01日

「アヴァンギャルド・チャイナ―〈中国当代美術〉二十年―」展(その1) 国立新美術館

「現代美術」と言わずに「アヴァンギャルド」と言ったところがポイントですね。
文化的な鎖国状態にあった中国が、1989年の天安門事件以降、急速に改革開放、発展していく中国経済と共に中国美術界も飛躍的に改革開放が進んで、この20年の間に過去の遅れを取りました。
他国の表現の自由を保障された中での現代美術の発展と比較すると、中国では表現の自由に勝ち取ることが一番のテーマだったのではないでしょうか。自由を勝ち取る戦いとして「アヴァンギャルド」=「前衛」という表現が、一番ぴったりしているのかも知れません。

感想を簡単に言うと「面白かった」、「分かりやすい」、「懐かしい」の3つに集約されます。

張 培力の「衛生 3」。ビデオ作品ですが、汚いホーローの洗面器にニワトリを入れて、石鹸(昔あった固形の洗濯石鹸)で、37分間洗う作業を続けます。羽が石鹸の泡だらけにビデオが終わります。非常に象徴的な作品です。

馬 六明の「芬・馬 六明の午餐」。パフォーマンスの記録ビデオ作品。化粧をして女性と見違えるような馬 六明が、魚を料理して食べて残った骨を水槽に戻すという映像ですが、そこに映った観客・立会人の表情に釘付けになってしまいました。70年代の日本の若者そっくりです。パフォーマンスを凝視しているぎらぎらした目。ゲリラ的に行っているパフォーマンス、いつ摘発されるか分からない緊張感が、ボロボロの解像度の低いビデオから伝わってきます。

楊 振中の「I WILL DIE」。これもビデオ作品ですが、部屋の両側の壁に5台づつビデオスクリ−ンを向かい合わせにおいて、世界各地で撮影したビデオをエンドレスで流します。世界各地で人々に「I WILL DIE」という台詞を言わせてその反応、表情を捉えたビデオです。戸惑う人、笑う人、演じて倒れこむ人、何か不思議な感動を覚える作品です。

感想を書いていったら、ビデオ作品ばかりに集中してしまいました。
絵画やその他の作品は、また次回にします。

アヴァンギャルド・チャイナ―〈中国当代美術〉二十年―
2008年8月20日〜10月20日
国立新美術館 企画展示室2E
国立新美術館の展覧会情報
china

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