2008年09月29日

「液晶絵画」展 東京都写真美術館

初夏に大阪の国立国際美術館で開催されていた展覧会の東京巡回展です。
今回は、楊福東(Yang Fudong)、Julian Opie、Sam Taylor-Woodの3人に注目です。

楊福東(Yang Fudong)
展示室の壁に架かった6スクリーンに中国東北部の寒村に風景が白黒の映像で映し出されます。極限状態に近い環境で生きる犬と人間。人間も登場しますが、主役は後ろ足の不自由な犬。でも、足の悪い可哀想な子犬が、厳しい中国東北部の自然のなかで、たくましく育っていく感動作品ではありません。
人間も犬も極限状態でただ生きるだけ。一生懸命とかいう余分な装飾は不要。絶望とか喜怒哀楽なんか無縁の世界。
2007年制作、北京オリンピック開催前年の中国の一つの姿でもあります。

国立新美術館で開催されている「アヴァンギャルド・チャイナ」展にも、楊福東(Yang Fudong)の8画面を使った「断橋無雪」という作品がちょうど出展されています。「雀村往東」と同じように白黒映像ですが、着飾った男女が主人公でだいぶ雰囲気が違います。比較してみるのも面白いかもしれません。

楊福東(Yang Fudong)のHP

Julian Opie
イギリスのロックバンド「Blur」のアルバム・ジャケットでも有名なアーティスト。(BlurのメンバーもOpieもロンドン大学ゴールドスミス・カレッジの同窓ですね)
現在、水戸芸術館で大規模な「Julian Opie」展をやってやっていますが、とても水戸まで行っていられないので、ここで5作品鑑賞出来て助かりました。
「ハンナ 学生」の眉毛や、「ペンダントをつけたキエラ」のペンダントが、ちょっとだけ動きます。却って一部分だけを微かに動かしてみせるほうがリアルな感じがします。
タイトルが長い山の景色が湖の水面の映って波に揺れている作品。この作品でも、単純化した山の景色なのに、湖面に映って波に揺れている映像は、リアルな映像を見ているように錯覚します。

Julian OpieのオフィシャルHP
Julian OpieのWikipedia

Sam Taylor-Wood
彼女もロンドン大学ゴールドスミス・カレッジの卒業生ですね。
今回は、3作品が展示されていますが、17世紀ヨーロッパの静物画の題材とした「Little Death」、「Still Life」の一瞬を捉えた静物画に時間軸を与えることによって、生を得たものが朽ちて衰え滅んでいくむなしさ、はかなさを表現しているように思えます。
壁に吊るされたウサギがどんどん腐敗していく一方で、横に置かれた桃がさほど変化することなく残っているのは、不思議な光景です。
Sam Taylor-Woodも音楽分野とも親密で、「Pet Shop Boys」がプロデュースして「I'm in love with a German film star」のカバー作品をリリースする予定だそうです。(これが、3作目になるようですが、創作活動の一環なのか、ただのご隠居の道楽か良く分かりません)
ちなみに「I'm in love with a German film star」は、1981年にイギリスの「The Passions」というバンドが発表した曲で、2005年には、全然雰囲気の違う「The Foo Fighters」もカバーを発表しています。 「液晶絵画」とは、関係ない話になってしまいました。

Sam Taylor-WoodのWikipedia
Sam Taylor-WoodのWhite Cubeのサイト 

会 期:2008年8月23日(土)→10月13日(月・祝)
休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
会 場:東京都写真美術館 2階・地下1階展示室
「液晶絵画」展 東京都写真美術館のHP

ekisho

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