2011年05月17日

「容赦なき戦争」ジョン・W.ダワー(平凡社ライブラリー)

第二次世界大戦、太平洋を挟んで向かい合った日本とアメリカの戦争が、何故悲惨なものになったのかを人種差別の視点から考察したもの。
白人が有色人種を差別してきた長い歴史だけでなく、日本が太平洋戦争の大義のために作り上げた西洋人蔑視・差別や日本がアジアの盟主となるための他のアジア諸国民に対して行った差別が、太平洋戦争の悲惨さの根底にあったことを解き明かしています。

本書は、1986年今から25年も前に書かれたものですが、今読んでも決して古くありません。
現在の世界情勢をみると、依然として人種差別が一因となってさまざまな紛争や悲劇が引き起こされているように感じられます。太平洋戦争当時よりも事態は深刻かもしれません。

この本を読んでいてふと思ったのですが、今の日本人に太平洋戦争当時叩き込まれた差別意識が残っていないでしょうか。日本人は他民族・他人種とは違うんだというような何か危ない意識がどこかにあるような気がしてならないのですが。

色々な面で示唆に富んだ名著といって良い一冊だと思いました。
読み切るのだいぶ苦労しましたが。

「容赦なき戦争」
(War without Mercy - Race and Power in the Pacific War)
ジョン・W.ダワー(著)
出版社: 平凡社 (2001/12/10)
ISBN-10: 4582764193
ISBN-13: 978-4582764192

mercy
容赦なき戦争 (平凡社ライブラリー)


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